グランピング×サウナでV字回復|新事業進出補助金を勝ち取る事業モデルの選び方

「三密回避」という特需に支えられたグランピングブームは去り、市場は今、厳冬期を迎えています。競合の増加、海外旅行への需要シフト、そして人手不足による経費高騰。多くの施設が稼働率と単価維持に苦しみ、淘汰の波にさらされています。

窮地を脱する一手として「サウナ導入」が注目されていますが、単なる設備の追加だけでは再建は望めません。

特に補助金申請においては、サウナは計画の立て方一つで採否が分かれる難易度の高い取り組みと言えます。

本記事では、累計50件・20億円以上の補助金受給を支援してきた知見から、補助金を活用し、グランピング経営をV字回復へと導くための「サウナ導入」を徹底解説します。

この記事の目次

グランピング市場の変遷とサウナ導入の転換点

グランピングだけでは選ばれない時代の到来

グランピングは、もはや「出せば予約が入る」というボーナスタイムを完全に終え、厳しい淘汰の時代に突入しています。

Googleトレンドのデータを見れば、実態は明白です。2023年を100とした場合、2025年の「グランピング検索ボリューム」は約80まで低下。わずか2年で市場の関心は約2割減少しており、市場規模の縮小は疑いようのない事実です。

深刻なのは、需要がしぼむ一方で、国内のグランピング施設数は1,000施設を超え、供給過多の状態にあることです。激化する施設間競争の結果、個別施設単位で見れば「3年で売上が半減した」という声も珍しくなく、廃業やM&Aによる事業譲渡も急増しています。

また、リゾート施設や体験型ホテルとの境界線も曖昧になっており、独自性のない施設は瞬く間に埋もれてしまいます。「誰でも成功できるフェーズ」は完全に終了しました。

単なる宿泊提供を超えた「事業の再構築」が生き残るための道となります。

滞在価値を最大化させるサウナの魅力

競争が激化し、施設が同質化する中で、サウナは顧客の滞在時間を延長させ、満足度を劇的に向上させる強力なコンテンツとなります。

  • 季節を問わない集客力の創出: グランピング最大の課題である「冬場の閑散期対策」において、サウナは極めて有効なフックとなります。外気温が下がるほどサウナの価値は高まり、オフシーズンを「稼ぎ時」へ変えるポテンシャルを秘めています。
  • 価格競争からの脱却と高単価の維持: 「サウナ完備」は、周辺施設との差別化ポイントとなります。単なる宿泊場所の提供ではなく、「至高のととのい体験」という独自のベネフィットを提示することで、高単価を維持したまま選ばれる施設へと変貌します。

宿泊業の現場で起るニーズの構造変化

弊社が直営50施設を運営する中で痛感するのは、消費者の旅行動機が「明確化・具体化」しているという事です。

「自然の中で過ごしたい」という抽象的な動機は、今や「あの施設にある、あの本格サウナで、心ゆくまで『ととのい』たい」という具体的な目的に置き換わっています。

サウナはもはや、宿泊に付随する「おまけの設備」ではありません。それ自体が旅の目的となる主役へと昇華しています。

しかし、この強力なコンテンツを補助金を使って導入するにあたり、大きな問題点があります。

それは「サウナでどのようにして補助金を申請すべきか」という事業者側の無策ぶりです。

補助金採択の分かれ道。「客室サウナ」は通らない?

グランピング施設がサウナ導入を計画する際、まず直面するのが「どの補助金を活用すべきか」という選択です。

しかし、結論から言えば、現在の状況において「新事業進出補助金」以外の選択肢は極めて限定的です。

なぜ「新事業進出補助金」一択なのか

「ものづくり補助金」は、革新的な試作開発や生産プロセスの改善が主眼であり、サービス業である宿泊施設の設備導入には馴染みません。また、観光庁の補助金も、地域一体となった取り組みや特定の政策目的に合致する必要があり、単独施設のサウナ導入で活用できるケースは稀です。

そのため、必然的に「新事業進出補助金」が唯一の有力な選択肢となりますが、ここに非常に高いハードルが存在します。

「サウナ=流行りもの」という厚い壁

現在、サウナは全国的にブームとなっています。それゆえ、審査員の目も厳しくなっているのが現状です。

単に「サウナを導入します」というだけの計画書は、審査員から「一時的な流行に乗っただけの、安易な多角化」と判断され、不採択確率が非常に高いのが実情です。

採択を勝ち取るには、単なる設備導入ではなく、「なぜ自社がサウナを運営する必要があるのか」という強固な論理と、グランピング事業を構造から変えるレベルの「事業モデル」の提示が不可欠です。

採択の明暗を分ける「3つの運営パターン」

ここで、多くの経営者が検討する「3つのパターン」を、補助金採択の観点から比較してみましょう。

運営パターン

内容

補助金採択の可能性

理由

A:客室サウナ

宿泊客専用のプライベートサウナ

絶望的

既存顧客へのサービス拡充(=延命措置)とみなされるため

B:宿泊者用共用サウナ

宿泊客のみが利用できる共用施設

絶望的

ターゲット市場に変化がなく、「新事業」の定義を満たさない。

C:一般開放型サウナ

外来客も利用可能な施設として運営

あり

「日帰り客」という新市場の開拓となり、構造転換と認められる。

 

審査員を納得させる「新市場」の証明

新事業進出補助金を活用するなら、宿泊業の枠内での改善ではなく、「宿泊業」から「日帰り温浴・レジャー事業」への進出というストーリーを描かなければなりません。
「宿泊客を喜ばせるためのサウナ」ではなく、「サウナを主目的とする日帰り観光客を呼び込み、収益構造を根本から変える」。

この明確なパラダイムシフトが示されて初めて、サウナは「流行りもの」から「有望な新規事業」へと評価が変わります。

グランピング施設がサウナを運営する4つのメリット

一般開放型のサウナ運営は、単なる新規収益の獲得に留まりません。

既存の宿泊事業の業績を改善し、施設全体の価値を最大化させるための極めて論理的な戦略です。

収益源の多角化:限界利益率の高い「第2の柱」

日帰りサウナの客単価は2,000円〜4,000円程度と、宿泊単価に比べれば一見少額です。しかし、経営的な真価はその「利益率」にあります。

  • コストの最小化: すでに管理・所有している敷地を利用するため、地代や初期のインフラ整備コストを抑制できます。
  • 変動費の限定: 主なコストは光熱費、薪代、マーケティング経費。運営フローを既存事業と統合することで、売上の多くが利益として残る、極めて筋肉質な収益源となります。

グランピング差別化によるADR維持と稼働率向上

市場が飽和し価格競争が激化する中で、サウナはグランピングの売上を維持するためのコンテンツとなります。

  • ADR(平均客単価)の維持: 周辺施設が値下げ競争に巻き込まれる中、「本格サウナ体験」という独自の付加価値があることで、価格を下げることなく選ばれる理由を作れます。
  • 稼働率の底上げ: 宿泊予約の決め手として「サウナの有無」が重視される昨今、サウナは強力なトリガーとなります。特に日帰り客がSNSで発信する「ととのい体験」が、宿泊予約への強力なプロモーション(UGC)としても機能します。

広大な敷地の有効活用:法規制をクリアした絶景サウナも

グランピング施設ならではの広大な敷地と、小規模建築ならではの法的メリットを掛け合わせることで、都市のサウナ施設が模倣できない圧倒的な差別化が可能になります。

  • 建築確認不要という柔軟性: 防火地域・準防火地域を除き、10㎡以下の増築であれば原則として「建築確認申請」が不要となります(既設建物がある敷地内の増築の場合)。この法規制の枠組みを活かすことで、通常の建築物では法規制やコスト面で断念せざるを得ない「特殊な場所」への設置が現実的になります。
  • 「建築不可」を「高付加価値」に変える: 河原、湖畔、海岸の波打ち際、あるいは深い森の中や崖っぷちの絶景地など、宿泊棟を建てるにはハードルが高いエリアこそ、サウナにとっては最高のロケーションです。本来活用できなかった「死んでいる土地」を、都会のビル内施設では逆立ちしても提供できない「唯一無二の体験価値」を生む資産へ転換できます。
  • 低コスト・高付加価値化の最大化: 法規制による制約を回避しつつ、環境の希少性を最大限に活かすことで、最小限の投資で最大限の顧客満足、SNSの拡散力を引き出すことが可能です。

既存リソースの最適化:年間を通じた「安定雇用」の実現

グランピングの宿命である繁閑差を、サウナのオペレーションが吸収します。

  • スタッフの多能工化: 宿泊スタッフがサウナの運営に充てることで、追加人件費を抑えた運営が可能です。
  • 通年雇用の維持: 市場が冷え込む冬場こそサウナ需要はピークを迎えます。冬季の稼働を確保することで、優秀な人材の流出を防ぎ、年間を通じた安定雇用とサービスレベルの維持が可能になります。

補助金審査をパスするシナジー(相乗効果)

前章で挙げたメリットを、ただ「儲かる」という視点だけでなく、補助金審査員が重視する「事業の持続可能性」と「地域経済への波及効果」のロジックに変換していきます。

  • 既存事業との強固なシナジー:「宿泊客がサウナを利用することで満足度が向上する」という単純な話ではなく、サウナという新規事業が「宿泊事業の閑散期(冬場)を支える」という経営の安定化に直結する点を論理的に、データを基に説明します。
  • 地域資源の活用と経済循環:薪サウナであれば「地元の間伐材の活用」、アロマであれば「地域の特産ハーブの使用」など、地域経済への貢献を盛り込みます。
  • 「流行」を「必然」に変えるストーリー:「サウナが流行っているから」ではなく、「この立地と、このリソースを活かすにはサウナが最適解である」という必然性を示すことで、審査員の「流行りもの」懸念を払拭します。

補助金を勝ち取りグランピングで次の一手を打つために

新事業進出補助金は、グランピング経営の収益構造から変える強力なフックです。

しかし、ここまで解説した通り、単なるサウナ設備の追加では不採択のリスクが極めて高く、経営の抜本的解決にもなりません。

「補助金をもらうこと」をゴールにせず、「採択されたその先に、いかに強固な収益の柱を作るか」という視点こそが、結果として最も審査員に刺さる計画書となります。

弊社は、様々なタイプのサウナ施設を導入した、直営50施設の運営で培った「現場のリアル」と、20億円の補助金受給を支援してきた「採択のロジック」を持っています。

貴社の施設のポテンシャルを最大限に引き出し、審査員を納得させる「勝てる事業計画」を共に構築しましょう。

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